たたらの科学

「たたら」から始まる「科学の旅」に、みんなで出かけよう!

人類が「鉄」というすばらしい素材を自分たちで作れるようになったのは、わずか4〜5000年前のこと。日本で独自の製鉄法「たたら」が始まったとされるのは1500年くらい前のこと。しかし「鉄」を手にした人類はその後、めざましい速度で文明を築いてきました。そうした鉄のことや、原料とした「砂鉄」、燃料とした「木炭=森林」のこと、さらに千数百度の熱を得るための燃焼の知識や鉄を生み出すための「還元」の知識など、「たたら」にはさまざまな「科学の知恵」が詰まっています。

そうした「たたら」の教育素材としての側面を、これからもっと活かしていこうと始めたのがこのプロジェクトです。

今後も親子を対象とした「科学のワークショップ」を行ったり、小・中学生に「たたら」の勉強をしてもらえたらと考えていますその基とする小冊子『科学の旅』もできあがり、地元の子供たちだけでなくもっと広く活用してもらえればと思います。


親子でいっしょに!「たたらの科学」ワークショップ

2019年11月の「ふいご祭り」にあわせて「たたらの科学ワークショップ」を行いました。入れ替わりで何組もの親子さんが参加してくださいました。

プログラムのはじめは「鉄がなかった頃=石器時代の体験」から。先の尖った石をいろいろ準備して、子供たちに小さな大根など野菜を切ってもらいましたが、なかなか切れずに大苦戦!!続いて、食用油を使った「非常用ランプ」づくり体験。これで液体が気体になって燃焼していくプロセスを学び、また火を消すための方法なども体験してもらいました。そして最後はおきまりの「火おこし体験」。これは親御さんの方が夢中になっておられました。

初めての試みでしたが出来はまあ及第点? 今後、まだまだ工夫の余地あり、プログラムに追加したいこともいろいろあります。次の機会、ぜひ多くの皆さんにご参加いただければと思います。

A4版16ページに、科学の知識てんこ盛り!

おなじみの「鉄之進」や「酸素ちゃん」、「一酸化タンゾー」に加え、新しいキャラが多数仲間入り。半導体のヒーロー「おシリコン」やこれからさらなる活躍が期待される「理知産むママ&イオンボーイズ」、生命活動の源となる「あでの進と三輪車」、正体不明の「たなぼた屋いち兵衛」・・・などが、難しそうな科学の原理をわかりやすく教えてくれます。

太陽系と地球が誕生したのが46億年前。43億年前に海ができ、40億年前に原始生命が誕生。それからず〜〜〜〜っと経って、人類が誕生したのが数百万年前。人類は火をエネルギーとして使いはじめ、鉄を手に入れ、18世紀からこの200年余りで急速な科学&文明の進歩を達成しましたが、その代償として地球がなん億年もかけて蓄えてきた化石燃料を使い果たし、温室効果ガスを大量に発生させてきました。この冊子では地球史、生命史、人類・文明史・・・として、そうした一連の流れを紹介しています。

中学になると「理科」は生物や物理・・・に分かれ、高校になると受験に不要な科目は切り捨てるのが現在の学校教育のカリキュラムです。そういった中で、多感な時期に、サイエンスを一連のものとして捉えることはとても大事ではないかと思われます。この小冊子が、リベラルアーツやサイエンスコミュニケーションの一助になればと思います。

●問い合わせ先/奥日野たたらの里づくりプロジェクト(日野町役場産業振興課 Tel/0859-72-2101)