日南町 阿毘縁(あびれ)

じつにいろいろ、トレビアンなアビレ!


日南町北西部、島根県境に接した村、阿毘沙縁。「あびれ」の地名は梵語で、他に比類なき素晴らしいところという意味で、神代の昔から伝わるおもしろ&楽しいお話がたくさんあって、実にアビレトレビアン!

 

まず最初のトレビアンは、日本刀の始祖と言われる平安時代の刀鍛冶「伯耆(大原)安綱」に所縁の地だということ。詳細はコチラ!「大原の地には大昔、この地の豪族より出でし山伏で「安綱」とか申する名刀工が居住していて、大山〜船通山を一日で往復した」という言い伝えがあり、山伏塚とか屋敷跡といった地名も残り、ここはまさに安綱伝承の有力候補地です。

 

そして「安綱」といえば当然ながら、名刀の素材となった極上の鋼を産した「たたら」の歴史。大原だけ、阿毘縁だけでなく大宮(印賀)から山上、この一帯が優れた玉鋼の産地であり、あちこちに「たたら場」の痕跡、鉄さい(カナクソ)を見ることもできます。そして山の深部に見合わないひろびろとした田んぼは、原料となる「砂鉄」を採取した「鉄穴流し」の跡。特に「深さこ」には、明治末期頃に撮影された「鉄穴流し」の古い写真が残っており、白い花崗岩土質の小山に立ってクワ1本で人が作業する様子が映され、その現場はいま広い田んぼになっていて、今昔を見比べると皆、ビックリです!奥日野のたたら、鉄穴流しが弓ヶ浜半島を造った・・・というのもガッテンです!!

 


イザナミの墓領、御墓山。そして名刹、解脱寺。


たたらの次は、伊邪那美命(イザナミノミコト)と「神生み」の伝承。イザナギとともに日本列島と多くの神々を誕生させたイザナミが、火の神「カグツチ」を生んだことで亡くなり、葬られたのがここ阿毘縁の「御墓山」だというお話です。その伝承にまつわる熊野神社や八石谷などの地もあり、また御墓山から牛ノ首山〜猿隠山へと国境(くにざかい)を尾根伝いに行くトレッキングも人気があります。ぜひ「神生み伝承」をたずねて歩いてみてください。

 

その次に「高祖さん」と親しみを込めて称される「阿毘縁山解脱寺」。高祖日蓮上人の直作といわれる一木三体の開運祖師像(日蓮大菩薩像)の内の一体がまつられている名刹です。尊像は木像で、家内安全、当病平癒、無病息災などの祈祷を受けられます。また九躰の龍が描かれた畳65畳分、圧巻の天井画が鑑賞でき、参道にそびえる県指定天然記念物のモミ並木も有名です。

 

他いろいろ、話題が尽きない「あびれとれびあん」をぜひ一度、訪ねてみてください。いろんな発見があるはずです!